薩摩地方に残る民族楽器「ゴッタン」を作る美木工房へ

ごったん1

先週10月13日(木)のお話ですが、宮崎県三股町で薩摩地方に残る伝統の民族楽器「ゴッタン」を製作している美木工房へ訪問しました。

現在の製作者は伝統工芸士黒木俊美さんのお弟子さん上牧正輝さんです。伝統を守りたい、大切に繋いで行きたいという想いから10年以上製作を続けています。

ゴッタンの歴史は古く、島津藩時代に一向宗禁制により洞窟などに隠れて念仏を唱えていたが、ゴッタンによって明るい場所で唄に念仏を織り交ぜて唄えるようになりました。「何はなくともごったん」といわれたほど、どこの家庭にもあったとされています。

ゴッタンは釘や金属を使わずに組み立ててあります。木材は古民家を取り壊した際の杉の古材を使っています。板張りで三本の弦がある弦楽器から別名「箱三味線」「板三味線」とも言われています。

師匠である黒木さんと共に試行錯誤しながら辿り着いた規格は縦20センチ、横17センチの胴に、2・5ミリの板を張るり、棹の長さは92センチ、3本の弦はウコンで染めた絹糸を使った角形と丸型の胴の作品です。製作期間は三か月程掛かります。

上牧さんはこの弾けば心に懐かしさと安堵感を もたらせてくれる昔懐かしい楽器に一人でも多くの人に知ってほしい、触れて欲しいと想いを込めて製作しています。

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